懐徳郷校には孔子をはじめとする聖賢たちに祭祀を行う空間である大成殿と教育空間である明倫堂があり、儒生が勉強して起居した東・西斎が明倫堂と大成殿の間に左右に配置されていたそうですが、今は消失してその跡だけ残っています。
低い山の斜面に2段の台を設けて場所を整えた懐徳郷校は講学場所である明倫堂が前にあり、廟堂場所である大成殿が後ろにある前学後廟式で配置されています。入口側の紅門に入るとソスル三門型外三門が出てきて、外三門に入ると明倫堂があり、明倫堂の裏庭の石段を上がって内三門に入ると大成殿が出てきます。
大田広域市文化財資料第5号に指定された懐徳郷校大成殿は、正面3間・側面3間の重軒切妻屋根建物で、内部の床には板を敷き、天井は燃燈天井。中国5聖(孔子・顔子・曾子・子思・孟子)の位牌を中央に、宋朝4賢(周敦頤・程顥・程頤・朱熹)、韓国18賢(薛聡・安珦・金宏弼・趙光祖・李滉・李珥・宋浚吉・崔致遠・鄭夢周・趙憲・宋時烈など)の位牌を東西両側の壁に祭っています。
大成殿では陰暦の2月と8月の上丁日に地域内の献官、祭官、一般儒林などが集まって釈奠祭を行っています。